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直木賞作家・今村翔吾氏の「原点」がアニメ化へ
――TVアニメ『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』先行上映会

JAN 09 2026
 TVアニメ『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』の先行上映会及びトークショーが1月8日、東京都内のユナイテッド・シネマ豊洲にて開催された。CBC/TBS系全国28局ネット「アガルアニメ」枠にて、1月11日より放送開始となる。

本作は直木賞作家・今村翔吾氏のデビュー作にして大ヒットシリーズの待望のアニメ化であり、イベントには豪華声優陣と共に原作者である今村氏も登壇した。

■ 「この一冊で消えてもいい」――デビュー作に込めた全霊の想い

 本作への想いについて問われた今村氏は、執筆当時の並々ならぬ覚悟を振り返った。現在の出版事情の厳しさに触れ、「この1冊で消えても仕方ないというつもりで全力を投じた作品です」と語った。また、自身の中で「一番アニメ化してほしい」と願っていた作品であった一方で、時代劇というジャンルが地上波テレビから減少しつつある現状を挙げ、「アニメ化はハードルが高いのではないか」と考えていたと話す。それだけに、今回のアニメ化決定は「本当に嬉しかった」と喜びを露わにした。

■ まさかの「声優」デビュー? 現場に溶け込んだ演技力

 今村氏の関わりは原作提供にとどまらない。実は第1話に「声優」として出演していることが明かされた。今村氏は「ここ3年ぐらいほぼアニメしか見ていない」と語るほどのアニメ好きであり、アフレコ現場には「ミーハー心」を持って参加したという。今村氏の演技について、主演の梅原裕一郎氏は「本当に溶け込んでいた」と絶賛。今村氏は「3年間見続けた成果が出ました」と笑いを誘いつつも、本編のどこに出演しているかは視聴者に探してほしいと語り、放送への期待を煽った。

■ 大泉洋が歌うEDテーマ「陽炎」に込められた“人間の強さ”

 イベント後半には、エンディングテーマを担当する大泉洋氏からのコメント動画も上映された。

大泉は、江戸時代の火消しの物語ということで炎をイメージできるタイトルにしたいと考え、「陽炎」と名付けたと語った。「火事でいろんなものを失うけれど、それでも人々は前を向かなきゃいけない、生き抜いていかなきゃいけないという人間の強さも表現できればと思って歌詞を書きました」と制作秘話が語られると、今村氏は「大泉さんと聞いて(最初は)どんな曲になるかイメージがわからなかった」と率直な感想を漏らしつつも、「実際に聞いてすごくハマった」と楽曲を絶賛。物語の世界観と見事にリンクした仕上がりに太鼓判を押した。

■ 「口コミ」の力を信じて

 イベントの最後に今村氏は、江戸時代の情報の伝播速度(東京の噂が20時間で大阪に伝わる)を例に挙げ、「人の口(口コミ)の力」の凄さを訴えた。

自身が華々しい「ドラフト1位」のようなデビューではなかったと振り返り、『火喰鳥』という作品が書店員や読者の口コミによって当初の数十倍にまで広がっていった経緯に触れた。今回のTVアニメにおいても「見て思った気持ちを口コミで伝えていってくだされば嬉しい」と観客に呼びかけ、熱いメッセージでイベントを締めくくった。
TVアニメ『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』放送情報
2026年1月11日(日)より、CBC/TBS系全国28局ネット「アガルアニメ」枠(日曜夜11時30分~)にて放送開始。 今村翔吾氏の魂が込められた「火消」たちの熱い物語に注目。
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