Kitagawa Takashi

nov 12 2021

生き様
マグロはおもしろい


東京大学大気海洋研究所 国際沿岸海洋研究センター
准教授 北川貴士さま

私たち日本人は、どうしてこれほどまでマグロに魅せられてしまっているのでしょうか... 縄文時代から食用とされ、江戸時代末期から寿司として私たちを楽しませてくれているマグロ。

ひと口にマグロといっても、種類は様々。最高級とされる本マグロ(クロマグロ)をはじめ、インドマグロ(南マグロ)、メバチ、キハダ、ビンナガなど、それぞれ個性があります。脂ののった大トロや中トロはもちろん、どこを食べても美味しい。

漁業の企画となれば、マグロを取り上げないわけにはいきません!



そこでお話を伺ったのは、東京大学大気海洋研究所 国際沿岸海洋研究センター 准教授であり「マグロはおもしろい」(講談社文庫)の著者である北川貴士さん。

本書を読んではじめて知りました。「マグロは猛スピードで泳ぎ続けなければ死んでしまう」これは...誇張なんですね。実際には人間の歩く速度と同じぐらいの速さで泳いでいることもあるそう。

現在の情報通信の中心的手段は電波と光です。 伝搬損失が少なく遠くまで届くからですが、これはあくまでも陸上や空気中のこと。ひとたび水中に入ると伝搬損失が余りにも大きく、 たちまち減衰してしまいます。だから、海中探査は難易度がとても高い。

北川先生は、バイオロギング(小さなデータ記録装置を動物の体に直接取り付け、動物の動き、行動や生理学について詳しく調べる学問手法のこと)を活用し、なぜマグロが太平洋を渡るのか、あたかも目的地を知っているかのようになぜ直線的に渡るのか、そもそもなぜそうまでして太平洋を渡るのか、など日夜マグロの生態を研究されています。

マグロの生き様、北川先生から教えていただき、普段の食生活の景色が変わりました。北川先生へのインタビュー、ぜひお聴きください!







【書籍紹介】
書籍:マグロはおもしろい 美味のひみつ、生き様のなぞ
(発行:講談社文庫)



  • さかなクンも目からウロコ
    『マグロの感動がギュッとつまった1冊! ハッピーでギョざいます!!』

    クロマグロ、キハダにメバチ。まだまだあります、マグロは全8種。日本人によく似た生真面目な性格、熱い血潮、母性愛。切り身としてしか知らなかった謎多き魚の、ほれぼれする生き様まで網羅した本邦初のマグロ学術エッセイ。巻末に著者とさかなクンによるマグロをめぐる爆笑対談つき!<文庫書下ろし>

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【スペシャルゲストプロフィール】
北川貴士(きたがわ・たかし)

1972年、滋賀県生まれ。東京大学大学院新領域創成科学研究科助教/大気海洋研究所兼務助教。京都大学農学部卒業。東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物科学専攻博士課程修了。博士(農学)。2004年度水産海洋学会論文賞・平成18年度日本水産学会論文賞・平成19年度日本水産学会水産学奨励賞・平成22年度日本農学進歩賞を受賞している。