Inyaku Tomoya

oct 12 2021

生物多様性
「環境創造型稲作」の秘伝の技術とは


NPO法人 民間稲作研究所
常任理事 印鑰智哉さま

「有機農法に関してぜひ紹介したい団体がある」とおっしゃっていただいたのが、当番組にご出演いただいた「農業消滅 農政の-農政の失政がまねく国家存亡の危機」(平凡社)」などの著作がある東京大学大学院 農学生命科学研究科教授である鈴木宣弘先生。



ご紹介いただいたのは「NPO法人 民間稲作研究所」。「誰でも何処でもできる有機稲作の技術体系」を完成、「いのち育む有機稲作」として普及を後押しする団体です。化学合成した農薬や化学肥料を一切使わずに、自然環境を活かし利用することで、日本の主食である米を効率よく生産する方法を、実に40年以上に渡って研究を続けてこられています。

「本来の稲作 NPO法人民間稲作研究所の探索」浅野光彦氏演出

NPO法人 民間稲作研究所
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10反にもなる水田をたった2名で作業する有機農法があったとは... しかも田植後、草取りに入らず、コナギもヒエも全く発生しないとは... 最も大変な作業で悩みの種となる除草問題が解決されていることに、驚かざるを得ません。

しかも、稲作にとどまらず、麦、大豆までも同様の方法で収穫が可能とお聞きし、さらに驚きました。自給率低下、そして国家の存亡に関わる可能性すらある食の問題に、大きな解決策になると感じています。人類と自然が共存し新しい環境が創造される「環境創造型稲作」の可能性に、これからの未来が大きく変わる期待が持てます。

こうした稲作の栽培技術確立に、在野の立場から先頭に立って尽力してこられたのは、当NPO法人を立ち上げられた稲葉光國氏。令和2年12月11日 満76歳で永眠された稲葉氏の偉大すぎる功績についても、印鑰さんからお聞きしました。日本の農への提言、ぜひお聞きいただきたいと思います。







【スペシャルゲストプロフィール】
印鑰 智哉(いんやく ともや)

アジア太平洋資料センター(PARC)、ブラジル社会経済分析研究所(IBASE)、Greenpeace、オルター・トレード・ジャパン政策室室長を経て、現在はフリーの立場で世界の食と農の問題を追う。ドキュメンタリー映画『遺伝子組み換えルーレット』(2015年)、ドキュメンタリー映画『種子ーみんなのもの? それとも企業の所有物?』(2018年)いずれも日本語版企画・監訳。『抵抗と創造のアマゾン-持続的な開発と民衆の運動』(現代企画室刊、2017年)共著で「アグロエコロジーがアマゾンを救う」を執筆。