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JAN 22 2026

自由と安心を両立する住まいづくり


福祉生協イリス(さっぽろ高齢者福祉生活協同組合)
専務理事・施設長 柿原 尚美さま




ー Q. 法人について教えてください。

A. 福祉生協イリスは、高齢者福祉に関する事業のみを行う生活協同組合として2006年に設立しました。「住み慣れた我が家で、最後まで安心して暮らしたい」との願いをかなえるため、「イリスもとまち」「イリス南郷通」「イリス北10条」「イリス苗穂」の4つのホームを開設しています。

このうち開設第1号となった「イリスもとまち」は、特定施設入居者生活介護の指定により要介護者の方のみを対象にしています。ほか3つのホームについては、介護フロアと自立している一般の方向けのフロアを併設するスタイルにしているため、介護が必要になっても住み替えの心配がありません。



ー Q. 「透明で開かれた経営・運営」を掲げられています。

A. 組合員が一人一票の議決権を持つ生協ならではの仕組みにもとづき、経営状況を公表しています。これにともない、各ホームにおいて3カ月に一度の運営懇談会と年に一度の組合員総会を開催しています。ご入居者は、暮らしを少しでもより良いものにしたいという思いがありますから、さまざまな意見が挙がります。いただいた意見には、できる限り応えられるよう尽力しています。  







ー Q. 2024年春にオープンされた「イリス苗穂」には、そのような入居者の声が反映されているのですね。

A. はい。自立している方には、イリスシリーズの特徴でもある自由な暮らしを楽しめるホームになっています。セキュリティは入居者お一人ひとりで管理できるようにしており、24時間出入り自由で、買い物に行く方やご旅行に行く方が常に行き交っているような光景が日常的です。食事についても、居室での調理はもちろん、事前申し込み不要の併設レストランで専属の栄養士が考案したメニューを味わえます。ご家族を招いて一緒に食事することもできます。浴室は広々とした大浴場を解放していますが、運動後などに気軽に使える個室のシャワールームの用意もあります。

JR苗穂駅を降りてすぐの好立地でアクセスがよく、土地面積も広かったため設備面は大分充実させることができました。



ー Q. ソフト面のサービスについてはいかがですか。

A. 〝最後までみる〟という法人の理念からも、やはりケアは私たちが最も注力するところです。そのためにも、有資格者が本来業務を全うできるための効率的な動線づくりにはこだわって、死角をなるべくつくらないようにしたり、浴室と洗濯室をつなげたシューターを設けて洗濯物を放り込めるようにしました。細かいようですが、介護スタッフが洗濯物を持ってフロアを走っている姿も、あまり見栄えの良いものではないからという意図もあります。

また独自の介護記録システムを開発し、運用もしています。各居室に設置したシステムパネル上に並ぶ「移乗介助」や「排せつ介助」などいずれかのケアの表示を押せば、自動的に記録用紙に記入される仕組みです。とにかく介護スタッフが動きを止めることなく、誰が何のケアを行ったことだけが記録されるというシンプルさを追求しました。



ー Q. 入居者の方が、一般住戸から介護住戸に移る際のサポートはどのように行っていますか。

A. 決めるのは入居者ご本人であることが大前提です。ただし、手遅れにならず然るべきときに移っていただけるよう、さまざまな職員が関わってタイミングを見極めています。ご家族と関わる生活相談員はもちろんですが、掃除職員や厨房職員もその一員。特に、「タッチ注文ができないことが増えた」とか「トレーが持ちづらそうになってきた」など、ご入居者のちょっとした変化に気が付きやすいのが食事場面です。そのため、イリスでは厨房ほか清掃部門も外部業者に委託するのではなく、すべて内製化することで互いに顔が見える関係づくりを重視しています。部署を超えてご入居者と関わりが生まれることで、「誰かに頼めば解決してくれる」という安心感も醸成されやすくなります。  

とはいえ、ご本人もご家族もできる限り一般住戸にいたいという気持ちがあるのは当然です。納得いただける選択ができるよう、時間をかけてていねいにサポートするよう心がけています。  

また、年々、ホームの利用の幅が広がってきていると感じています。先日、一般住戸に暮らす60代のがん末期の方が亡くなりました。最後は病院でお看取りしましたが、そのような医療対応が必要だけれど、一人暮らしの自由さも捨てがたい方にとっても最適な住まいだと思います。ご夫婦で入居されてどちらかが介護が必要になった場合も、会いたいときはエレベーターですぐ顔を見に行けるのは安心ですよね。  



ー Q. 展望をお教えください。

A. 高齢者の方々にとって安心な住まいを提供しつづけられるよう、次世代の育成を含め取り組んでいきたいです。加えて生協のやるべき事業として、社会貢献活動も大切な使命の一つであるため、その一環として地域住民向けのセミナーを毎月開催しています。私や理事長が講師となり、フレイル予防や高齢者の住まいにまつわる情報発信をしています。今後も継続し、地域の理解を広げていきたいですね。  



ー Q. ありがとうございました。





【施設紹介】
法人名:福祉生協イリス(さっぽろ高齢者福祉生活協同組合)
所在地:〒065-0005 札幌市東区北5条東8丁目4番1号